指導者のいない24時間ジムや自宅でトレーニングする人が増えましたね。筋トレ効果が出てくると、筋肉は付いてきたけど腹周りの脂肪が気になると思っている人は多いことでしょう。「減量」について参考になる記事やYouTubeも多いですが、中には腹筋がバリバリに絞れたボディビルダーの減量法をそのまま真似る人も居ます。
そこで今回は「ボディビルダーと一般人の減量の違い」についてお話ししていきます。
減量といえば、誰もが一度は挑戦したことがあるテーマだと思いますが、ボディビルダーが行う減量と、一般の人が目指す減量には大きな違いがあります。その違いを理解し、自分に合った減量方法を見つけることが、健康的で持続可能な体作りのカギとなります。
◎ボディビルダーの減量方法とは?
まず、ボディビルダーの減量は大会に向けた準備の一環であり、筋肉を維持しながら体脂肪を極限まで減少させることが目標です。
大会当日に「絞れた」体を見せるために、減量は数ヶ月にわたって計画的に進められます。カロリーを抑える一方で、筋肉を減らさないために高タンパク質の食事を心がけ、脂質と炭水化物のバランスを慎重に管理します。
さらに、ボディビルダーは「カーボサイクリング」や「リフィード」と呼ばれる特定の期間に炭水化物を調整する方法を取り入れることが一般的です。
また、大会が近づくにつれて「水抜き」(注1)と呼ばれる水分の管理も始まります。これにより、体内の余分な水分を排出し、筋肉のカットが際立つように仕上げます。
このように、ボディビルダーの減量は見た目の美しさを最大限に引き出すための科学的な方法であり、短期間での劇的な変化が求められることが特徴です。
(注1)水抜きとは、水を飲まずに脱水症状を作り出すことではありません。体内の余分な水分を排出するための食事コントロールです。体重制限のある競技においては、大会前日や当日に一時的に脱水症状を作り出すことはあります。
◎一般の人が目指すべき減量方法
一方で、一般の人が目指す減量は、健康的な生活を送りながら無理なく体重を落とすことが目標です。
ここで重要なのは、減量はあくまで長期的なプロセスであるということです。無理をして短期間で減量しようとすると、リバウンドしやすく、逆に体に負担をかけてしまいます。世の中は「短期間で〇〇kg落ちる」などと飛びつきやすい過大広告があふれています。そのため簡単に体重が落とせる方法があると勘違いしがちです。やつれて不健康になるために減量するのでは無く、健康のために減量することを忘れないでください。
減量=食事内容の長期
一般的には、食事のカロリー制限は大切ですが、必要な栄養素をバランスよく摂取することが重要です。炭水化物、タンパク質、脂質を適切な割合で取り入れながら、日々の活動に必要なエネルギーを確保します。また、定期的な運動も欠かせません。有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、筋肉を維持しながら脂肪を燃焼させる効果が期待できます。
◎ボディビルダーの減量法、どこを真似してどこを避けるべき?
では、一般の人がボディビルダーの減量方法を真似するべきか?というと、必ずしもすべてが適しているわけではありません。しかし、参考にできる部分も多くあります。
▲真似るべきポイント: まず、ボディビルダーが取り組む「計画的な食事管理」と「筋肉を維持するための高タンパク質摂取」は、一般の人にも非常に有益です。糖尿病患者にもお勧めの「低脂肪高タンパク」の食事ですね。食事内容をあらかじめ計画し、栄養素をしっかりと把握することは、健康的な減量には欠かせません。また、タンパク質は筋肉を維持し、代謝を促進する働きがあるため、減量中の食事において特に意識して取り入れることが大切です。
▲避けるべきポイント: 一方で、ボディビルダーが行う極端なカロリー制限や大会前の「水抜き」などは、一般の人が真似すべきではありません。極端な食事制限は体に負担をかけ、健康を損なうリスクが高まります。特に短期間での激しい減量は、リバウンドしやすい上に、ホルモンバランスや代謝に悪影響を及ぼすことがあるため、避けるべきです。また、ボディビルダーと言えども、減量法に個人差があります。中にはプロテインとサプリメントしか食べないなどという、栄養障害につながるような減量法を語るボディビルダーもいます。ボディビルダーに限らず、スポーツ選手は勝負にこだわりますから、大会前の水分管理は、体内の電解質バランスを崩す可能性があり、特に専門的な知識がない人には危険です。
◎自分に合った減量法を見つけるために
多くの減量方法が世の中には溢れていますが、最も大切なのは「自分に合った減量法」を見つけることです。ボディビルダーの減量は確かに効果的で、見た目の劇的な変化をもたらしますが、それは特定の競技に向けたものであり、一般の人がそのまま取り入れることは現実的ではありません。
一般の人にとっては、無理なく長く続けられる方法がベストです。無理な食事制限や過激なトレーニングは、最終的にはリバウンドを招き、健康を損なう恐れがあります。減量の目的は、見た目を変えるだけでなく、体を健康に保ち、生活の質を向上させることです。
◎専門家のアドバイスを受けながら取り組む
減量を成功させるためには、自分一人で無理をしないことが大切です。広く知られている減量法の中から、どれが自分に合うのかを見極めるのは難しいかもしれません。そんなときは、ぜひ廣田ボディビルセンターにご相談ください。私たちは、皆さん一人ひとりに合った減量法やトレーニングプランを提案し、健康的に目標達成できるようサポートします。
まとめ
ボディビルダーと一般の人の減量には大きな違いがありますが、共通して言えるのは「計画的に、無理なく進めること」が成功の鍵だということです。ボディビルダーの減量方法を真似るべき部分もあれば、避けるべき部分もあります。大切なのは、自分の生活スタイルや目標に合ったアプローチを見つけ、無理なく続けることです。
自分に合った減量法を見つけ、健康的な体作りを楽しんでくださいね!それでは、次回のブログもお楽しみに!
著者:廣田ゆみ(2004年女子ボディビルアジアチャンピオン)