筋トレのやり過ぎに気をつけましょう

筋トレは老若男女誰もができる体力づくり、スタイルづくりに効果的な運動ですね。

適切に行うことで体力向上や健康維持に非常に有益です。しかし、どのようにどのぐらい行えば良いのか分からない人や、中にはやればやるほど身体が引き締まる、筋肉が付きまくるなどと勘違いして、やり過ぎてしまう人が居ると聞きます。

そこで、今回は筋トレのやり過ぎによる影響について年代別に書いていこうと思います。

筋トレのやり過ぎによる身体への影響

①20代~30代の場合 

②40代~50代の場合

③60代以上の場合

④まとめ

1.20代~30代の場合

<男性>若い男性は筋肉量を増やすために重いウエイトを持ち上げることが多いですが、無理をすると筋肉の過負荷により、損傷や疲労骨折を引き起こすことがあります。過度な筋トレは関節や腱に負担をかけ、腱炎や関節炎を引き起こす可能性があります。派手なトレーニング動画などの影響を受けず、自分の体に合うメニューをこなすようにしましょう。

精神的な影響としては、筋肉の発達に執着しすぎると、ボディイメージ障害(筋肉ディスモルフィア:自身の筋肉の欠点に過剰に気を取られる精神状態)を引き起こし、常に「もっと筋肉を付けなければ」というプレッシャーを感じることがあります。また、過度のトレーニングにより、体が回復する時間が不足し、ストレスや不安感が増加する可能性があります。トレーニングが休めなくなる人に多く見られます。

<女性>若い女性の過度な筋トレは、女性ホルモンのバランスを崩し、生理不順や更年期障害のような症状を引き起こすことがあります。また、過度な有酸素運動と組み合わせると、骨密度が低下し、骨折のリスクが高まる可能性があります。

精神的な影響としては、筋トレと食事制限を極端に行うことで、摂食障害や過度の体重管理に陥ることがあります。また、過度のトレーニングは身体的にも精神的にも疲労を蓄積させ、ストレスを増加させる可能性があります。

〘事例〙ある30代の男性が、ベンチプレスで自己最高重量を更新しようとした際、十分なウォーミングアップをせずに重いウエイトに挑戦しました。その結果、胸筋が過度に負荷を受け、筋肉が断裂しました。この怪我により、男性は手術が必要となり、数ヶ月間のリハビリが必要となりました。不適切な準備と過度な負荷が原因です。

2.40代~50代の場合

<男性>この年代では、過度なトレーニングは心血管系に過度の負担をかけ、心臓病や高血圧のリスクを高めることがあります。年齢とともに回復力が低下するため、筋肉や関節の痛みが慢性化するリスクが増します。

精神的には、過度の筋トレにより、トレーニングに対する意欲が低下し、燃え尽き症候群を引き起こす可能性があります。また、思い通りの成果が出ない場合、自己肯定感が低下することがあります。

<女性>特に閉経後の女性は、過度な筋トレが骨密度の低下を促進し、骨折のリスクを高めることがあります。適切なフォームを守らないと筋肉損傷や関節炎を引き起こす可能性があります。

精神的には、過度なトレーニングがストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を増加させ、ストレスを悪化させることがあります。また、過度なトレーニングによる身体的疲労が、精神的な疲労感を伴うことがあります。

〘事例〙50代の男性が、健康維持のために過度な有酸素運動と筋トレを組み合わせたトレーニングを行っていました。週に数回、高強度インターバルトレーニングを実施した結果、心臓に過剰な負担をかけ、心房細動(不整脈)を引き起こしました。これにより心拍が不規則になり、日常生活に支障をきたすようになりました。医療機関での治療と、トレーニングの見直しが必要となりました。

3.60代以上の場合

<男性>この年代の過度な筋トレは、骨密度の低下を促進し、骨折のリスクを高めます。加齢により関節が脆くなっているため、過度な筋トレは関節の損傷を引き起こす可能性があります。

精神的には、筋トレに集中しすぎると、社会的なつながりが希薄になり孤独感を感じることがあります。過度なトレーニングが日常生活に支障をきたし、精神的なバランスを崩すことがあります。

<女性>過度な筋トレが骨密度の低下を促進させ、骨折のリスクを高めます。年齢とともに筋肉や関節が脆くなるため、過度な筋トレにより損傷を引き起こすことがあります。

過度な筋トレはストレスを増加させ、精神的な健康に悪影響を与えることがあります。筋トレに過度に集中することで、社

会的な活動が減少し、孤立感を感じることがあります。

〘事例〙62歳の女性が、ジムでスクワットを行っていた際に膝に鋭い痛みを感じました。検査の結果、膝の半月板が損傷していることが判りました。彼女は過去に膝の問題を抱えており、適切なウォームアップを行わずに重いウエイトを使用していました。理学療法士の指導の下でリハビリを続けています。

3.まとめ

筋トレは健康に非常に有益ですが、適度に行うことが重要です。過度のトレーニングは、身体的な損傷や精神的な健康に悪影響を及ぼす可能性があります。各年代・性別に応じた適切なトレーニングプランを立て、専門家の指導を受けながらバランスの取れたトレーニングを行うことが推奨されます。

年齢とともに回復力は落ちてきます。若いときに比べて、重量や繰返し回数などを少なめにして同じ頻度で行うか、同じ筋肉を鍛える頻度を少なくして、十分に回復してから筋肉に刺激を与えるようにしましょう。

筋トレは本来、年齢にかかわらず誰でも行える安全で効果の高い運動です。筋肉を鍛えることは老若男女全ての人に必要なことです。高齢者が介護されずに死ぬまで元気でいるためにも、筋トレを続けましょう。

しかし、やり方を間違えると、とんでもない事故や体調不良につながります。

最初から自己流やネットの知識、動画を真似た方法で行うのはお勧めできません。専門家の指導を受け、まず安全に行う方法を身につけましょう。最近はトレーニングジムの数が増え、あまり知識や経験の無いトレーナーが指導している所もあると聞きます。出来るだけ経験豊富な指導者を選ぶようにし、安全で効果的な筋トレを続けていきましょう。

 

著者:廣田ゆみ(2004年女子ボディビルアジアチャンピオン)

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